世界中から森林は減少し続けています。
その要因として国際的に大きな問題となっているのが違法伐採です。
全世界の森林伐採の15%から30%、熱帯雨林地域に限っては実に半数以上が違法伐採であると言われているほどです。
では違法伐採を食い止めるためにどのような手段がとられているでしょう。
これまでは木材を伐採するチェーンソーの音を検知して通報していました。
ですが、これではレンジャーが到着するまでに伐採が進んでしまいます。
この問題を解決すべく、米日立ヴァンタラと米NPOのレインフォレスト・コネクションが組み、新たな監視システムが開発されました。森の中の野生動物の鳴き声や川の流れる音など生態系の音響データを解析し、熱帯雨林に違法伐採者が入ってきた際の音の乱れを検知するもので、これまでより早い通報が可能となります。96%の精度で違法伐採を見つけることができ、全世界の違法伐採を35%減らすことが可能になるそうです。
人間には分からないような変化を見つけ出すのはAIの特長の一つです。ですが、実際その特長を活かしたシステムを作るためには「人間にできないことをできる可能性」を考慮した柔軟な発想が必要となります。
このように「そうか、AIならそれができるのか」と思ってしまうようなサービスやシステムが今後も増えていき、私たちを驚かしてくれることでしょう。
ライター:H.I